”愛してる”を残す子ども写真のレシピ

recipe12 思わず撮りたくなるイルミネーション撮影のコツ

クリスマスも近づいてきて、いろんな場所できれいなイルミネーションを見かける季節になりましたね。写真教室で「イルミネーションとこどもをキレイに撮るには?」とよく聞かれます。今回はイルミネーション撮影のコツについてお伝えします。

イルミネーションと子どもの撮り方

クリスマスが近づいてくると、クリスマスツリーや電飾のイルミネーションで街がキラキラしてきますね。

通常イルミネーションや夜景の撮影では、シャッタースピードが遅くなるため三脚を使いますが、三脚を使用するのが禁止されている場所もありますし、小さいお子さん連れで三脚をもち歩くのは難しいでしょう。

ここでは三脚を使わずにイルミネーションとお子様を撮る方法について作例と一緒にご紹介します。

夜の室内のイルミネーション

商業施設の中には、大きくてきれいなツリーが飾られていますよね。このような場所なら手持ちでも十分に写真を撮ることができます。設定は、

お子様が動いてブレるようならISO感度をあげてください。明るいレンズ(F値の小さいレンズ)があると、ISO感度を上げ過ぎずに撮れます。

F値について詳しくはレシピ2「オートはダメなの?」を、ISO感度についてはレシピ4「室内・暗いところでブレない写真が撮れる魔法の設定」を読んでください。

ツリーとお子さまを離すと、キラキラ感がUP

ツリーとお子さまを撮る場合、左の写真のようにツリーのそばに立たせて撮ることが多いと思います。ツリーの飾りもはっきり見せたい場合はこれでもOKですが、ボケを生かしたキラキラした写真を撮りたい場合は、ツリーとおこさまの距離を離して、ズームレンズの望遠側(大きく写る側)で撮影するとキラキラした感じになります。

前ボケで幻想的な雰囲気に

このような電飾があった時に、お子様に電飾の手前ではなく後ろに立ってもらうと、このような大きな前ボケの写真が撮れます。電飾のすぐ後ろではなく、ちょっと離れてもらうのがコツ。

街灯の光が近くにあるイルミネーション

外のイルミネーションになると難易度があがりますが、建物の明かりや街灯の明かりがある場所ならフラッシュを使わず手持ちで撮ることもできます。

街灯の光をうまく利用する

イルミネーション以外の光のある場所での撮影のポイントは「街灯の光をうまく利用すること」。街灯の光が顔に当たるような場所にお子さんに立ってもらうと、お顔が明るく・イルミネーションもキレイに撮れます。

●スマートフォンで撮影
●ミラーレスで撮影

暗い場所にあるイルミネーション

街灯の光などが周りにないイルミネーションの場合、イルミネーションだけなら手持ちで撮れないこともありません。けれどもイルミネーション以外の光がない暗い場所で「イルミネーションとこどもを一緒に撮る」というのはかなり難易度が高いです。

暗い場所でイルミネーションとお子さんを一緒に撮る具体的な方法を紹介します。

フラッシュを使う

暗い場所でもできるだけ「フラッシュを使いたくない」と思う方は多いでしょう。フラッシュを使うと顔が白くなってしまったり、「いかにもフラッシュ」という感じになって、雰囲気が無くなってしまうことが多いからです。

フラッシュを使わずにイルミネーションとお子さまを撮影する場合は、イルミネーションを背にするのではなくイルミネーションの光が顔に当たるような場所で撮れば顔が明るくなりますが、イルミネーションの色が顔にかぶります。イルミネーションとお子さんを撮影する場合は、フラッシュを使いましょう。

フラッシュを使うポイントは次の項目以降で詳しく説明します。

●フラッシュを使わず、色がかぶってしまった例

シーンセレクトの「夜景ポートレート」を試してみる

たいていのカメラには、「シーンセレクト」といって、様々な状況に対応したシーンモードが用意されています。その中に「夜景ポートレート(夜景+人物という名前の場合もあります)」というモードがあります。これはシャッタースピードを遅くして夜景やイルミネーションの光を写しつつ、フラッシュをたいて人物も明るく撮るというモードです。

完全にカメラ任せのフルオートのモードなので、画面上のピントを合わせる位置もカメラ任せになります。ピント位置をカメラが決める際には画面上の一番近いものにピントを合わせることが多いので、お子様より前にモノや人が入り込まないようにしてください。

「夜景ポートレート」はフラッシュの量を調節できないため、カメラと被写体があまり離れていないと、フラッシュでお子さんの顔が白っぽくなってしまうこともありました。ズームレンズはなるだけ望遠にして少し離れたところから撮るほうが良いでしょう。

まずはご自分のカメラで「夜景ポートレート」で撮ってみましょう。
「フラッシュを使った」という感じになってしまうのはしょうがないですが、イルミネーションも顔も明るく撮れます。シャッタースピードがかなり遅くなり手ブレの確率が上がりますが、人物はフラッシュで照らされた瞬間の姿を写しとめるためブレないことが多いです。

●夜景ポートレートモードで撮影した作例

絞り優先オート(A/Av)で、フラッシュの調光補正を使う

先ほどの「夜景ポートレート」よりも難易度が高いですが、絞り優先オートでフラッシュの調光補正機能を使う方法もあります。

カメラに内蔵のフラッシュは、光量を調節することができます(一部調節できないカメラもあります)。光量は露出補正と同じように「プラスマイナスゼロ」を基準に、マイナス補正でフラッシュの光を弱く、プラス補正で光を強くすることができます。調光でだいぶフラッシュの感じも変わります。

●フラッシュの調光補正の比較
●絞り優先オートでフラッシュの調光補正機能を使った作例
●イルミネーションを背景にして撮る

このような、イルミネーションを背景にしてお顔にイルミネーションの光があたらない状況では、必ずフラッシュを使って撮りましょう。

自分で設定を調節するため「夜景ポートレート」よりも難しいですが、ピントの位置も自分で選べますし、ISO感度をあげれば夜景ポートレートほどシャッタースピードが遅くなりません。

イルミネーションの楽しい撮り方

イルミネーションとお子さんを一緒に撮るのは大変ですが、イルミネーションだけならそれほど難しくありません。面白い写真が撮れるテクニックをご紹介します。

ホワイトバランスの設定を変える

ブルー系のイルミネーションの時はホワイトバランスで「電球」を選ぶとよりクールな色味に。ピンク系なら蛍光灯、黄色やオレンジなら「曇り」「日陰」を選ぶと色がより強く出ます。

シャッタースピードを遅くして、光の軌跡を楽しむ

シャッタースピードを遅くすると、光の動きを写し取ることができます。これはぐるぐる回るアトラクションを遅いシャッタースピードで撮ったもの。

シャッタースピード優先オート(S/Tv)でシャッタースピードを1秒に設定しました。通常は、こんなにシャッタースピードが遅い場合は三脚必須ですが、手すりに手を押し付けてできるだけぶれないようにして撮りました。目で見たのと違うものが撮れるので面白いですよ。

わざとピントを外してみる

イルミネーションそのものを撮ると「あれ?」とビックリするほど地味に撮れてしまうことがあります。そんな時は、オートフォーカスをマニュアルフォーカス(MF)に切り替えて手動でピント合わせをしてください(一般的にはレンズの側面に「AF」「MF」の切り替えが付いています)。

この時、わざとピントを外して光がまあるく大きなボケになるところで止めてみると、こんな玉ボケの写真が撮れます。作例は、マニュアルフォーカスでピントを外して撮った写真です。同じものを撮っているとは思えないくらいキラキラな感じが出ます。

フィルター機能を使ってみる

レンズの先につける「フィルター」でイルミネーションがキラキラした感じに写るクロスフィルターというものがあります。また、カメラによってはシーンセレクトの中に「イルミネーションをキラキラ撮る」というクロスフィルターをつけたような写真が撮れるモードがあります。

●「夜景をキラキラ撮る」というモードで撮影

クロスフィルターではないのですが、イルミネーションの光が面白い形に見えるメガネ(紙でできたもの)のレンズ部分をカメラのレンズの先端にあててこんな写真を撮ってみました。

今回は今までで一番難しい内容でした。お子さんとイルミネーションと楽しみながら、試してみてくださいね。


全12回の「子ども写真の撮り方レシピ」を読んでくださってありがとうございました。お子さんの誕生を機に良いカメラを買ったけど「いつもオートばかりで、写真がイマイチ」というママやパパが、カメラの機能を活用してお子さまのステキな写真が撮れるようになるといいな、という思いを込めてコラムを書きました。

カメラの機能や写真の撮り方、機材の話などを書いてきましたが、一番伝えたいのは第1回目の内容です。パッと見てキレイな写真も良いけれど、お子様が大きくなった時に自分の小さいころに思いを馳せられるような思い出いっぱいの写真を残してあげてくださいね。

2015年12月15日更新

椎名トモミ カメラマン
カタチがなく目には見えない「幸せな空気」や「愛おしい気持ち」を写真で残すハッピーカメラマン。写真に写る人の「優しさ」を引き出すのが得意。2003年より一眼レフで写真を撮り始める… 続きを読む

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